育成
コーチの声かけ術。 選手を動かす言葉選び
2026-04-195分
同じことを言っているのに、伝わるコーチと伝わらないコーチがいる。
違いは言葉の選び方にあります。
育成年代のコーチングは、技術指導と同じくらい「言葉」が大切です。
声かけの3種類
目的で使い分ける声かけ
- →指示:プレーを変えさせる(『左に切れろ!』)
- →承認:良い行動を強化する(『今のパス最高!』)
- →修正:行動を改善させる(『次は手を伸ばして取ろう』)
3原則:具体的・即時・再現可能
効果的な声かけには共通点があります。
Before
「もっと頑張れ!」 → 何をどう頑張るのか分からない
After
「リバウンド後の1歩目を速く!」 → 具体的にやることが分かる
- 具体的:行動や部位を指す(『手』『足』『タイミング』)
- 即時:その場で(時間が経つと何が良かったか分からない)
- 再現可能:次もできること(抽象論ではなく動作)
否定語を封印する
「〜するな」より「〜しよう」。脳は否定形を理解しづらく、「走るな」と言われると『走る』がイメージに残ります。
Before
「外からシュート打つな!」 → 打ちたい気持ちが残る
After
「ゴール下までドライブしよう!」 → ドライブがイメージできる
- 「慌てるな」→「落ち着いて判断しよう」
- 「ミスするな」→「次の一手を考えよう」
- 「適当にやるな」→「一つひとつ丁寧に」
承認の量と質
普段から承認を貯めると、修正の一言が刺さります。承認ゼロの状態で叱ると「コーチは自分を見ていない」と感じます。
Point
承認:修正 = 3:1 が黄金比。1回修正する前に、3回は良いところを認めておく。
タイミング
練習中の声かけはその瞬間に。試合中の修正はハーフタイムやタイムアウトでまとめる。試合直後は感情的になりやすいので、翌日の練習で冷静に振り返る方が効果的です。
選手のタイプで調整
タイプ別の声かけ例
- →メンタル強い選手:ストレートに修正OK
- →繊細な選手:承認を挟んでから修正
- →経験浅い選手:大まかな目標だけ、細かい技術指摘は控える
- →ベテラン選手:考えさせる質問形式(『今のどう思った?』)
チーム全体への声かけ
全員に向けた声かけは行動を揃えるのに使います。
- 試合前:『まず1本守る!』(チーム共通の意識統一)
- 劣勢時:『5プレー集中しよう』(短期目標で前を向かせる)
- 優勢時:『油断しないで、あと1本』(緩みを防ぐ)
まとめ
声かけは技術です。具体的・即時・再現可能を守り、否定語を封印し、承認を貯めて修正を効かせる。
同じ選手・同じ練習でも、言葉次第で成長スピードは倍違います。今日から一つずつ磨いていきましょう。